加山又造

山又造

かやま またぞう【生年】1927~2004

父が西陣織の衣装図案を業としていたことから、京都市立工芸学校日本画科に学ぶ。

1949年東京美術学校日本画科卒。
1951年頃から注目され、個展を開くなど日本画の新世代として期待される。常に意欲的で斬新な創作活動を続け、動物画シリーズや裸婦画への執着、水墨画への傾倒など変幻自在な展開は、日本画に立脚したあくなき表現の可能性への挑戦といえる。

その大胆な意匠化と豪華な色彩による花鳥や山水や裸婦の単純な構成は「現代の琳派」と称されている。
また絵画のみにとどまらず、陶器の絵付、壁画、天井画、各種の装飾デザインと多岐にわたっている。

山又造 作品


たんぽぽ

たんぽぽ

【材質】紙本彩色
【寸法(cm)】53.3×73.0cm

解説
加山の作品のうち、猫をモティーフとした作品は100を越える。<<たんぽぽ>>は加山が飼っていたシャム猫とたんぽぽを描いた花鳥画である。
ふわりと舞うたんぽぽの綿毛を目で追うシャム猫の構図は、猫が動くものに狙いを定める時の緊張感、生動感をよく捉えていて、見る人を引き付ける。
また、柔らかい猫の毛並みとたんぽぽの綿毛の細かな描写も魅力の1つだ。
駒形十吉記念美術館でも人気の高い作品で、年齢、性別を問わず多くの人に愛されている。

しだれ桜

しだれ桜

【制作年】1990(平成2)年
【材質】紙本彩色 四曲一隻
【寸法(cm)】174.0×357.6cm

解説
薄く可憐な桜の花びらが一枚一枚丁寧に描かれた枝垂桜が、闇夜に浮かぶ月に照らされ妖艶な姿をみせている。
加山の故郷である京都には、画家と同年齢の祇園枝垂桜がある円山公園をはじめ、常照皇寺の九重桜、平安神宮、醍醐寺、嵐山など桜の名所が多々ある。
作品のため桜を見に出かけていたというから、この「しだれ桜」もそのどれかがモデルとなっているのかもしれない。
もととなった桜が加山の幻想世界と融合し、桜の内面的な部分である幽玄な雰囲気がよく表れた作品である。

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