加藤唐九郎 作品
黒織部茶碗 銘 がらしや
高台を低く削り出した筒形茶碗の姿は、桃山時代前期の瀬戸黒茶碗の形を倣っている。
しかし胴には十字クルスと円窓の文様が白抜きで表わされているので、文様のある黒茶碗を黒織部と称する慣習に従えば蓋表の自署には「織部黒茶碗」とあるが黒織部と称すべきであろう。
桃山時代には、この種の作行きの茶碗にこのような文様を表わしたものはまったくない。
したがって作者は、瀬戸黒の形を倣いつつ独自の作風をここに示して、唐九郎黒茶碗の代表作の一つに挙げられるものを生み出したといえる。
確かな形姿に大胆な文様を描いた奔放な作為はいかにも野の陶人唐九郎らしい。
守山の窖窯で焼かれたものらしいが、箱書付は後年の自署である。(林屋晴三)
(駒形十吉(編)『加藤唐九郎』長岡:駒形十吉記念美術館、1994年)
しかし胴には十字クルスと円窓の文様が白抜きで表わされているので、文様のある黒茶碗を黒織部と称する慣習に従えば蓋表の自署には「織部黒茶碗」とあるが黒織部と称すべきであろう。
桃山時代には、この種の作行きの茶碗にこのような文様を表わしたものはまったくない。
したがって作者は、瀬戸黒の形を倣いつつ独自の作風をここに示して、唐九郎黒茶碗の代表作の一つに挙げられるものを生み出したといえる。
確かな形姿に大胆な文様を描いた奔放な作為はいかにも野の陶人唐九郎らしい。
守山の窖窯で焼かれたものらしいが、箱書付は後年の自署である。(林屋晴三)
(駒形十吉(編)『加藤唐九郎』長岡:駒形十吉記念美術館、1994年)
【制作年】
1950(昭和25)年
【寸法(cm)】
高8.8 口径11.0cm